【質問】 

 私の家は明治の中頃、曽祖父が建てました。祖父や父の婚礼や、葬儀もここで行われ、家族の思い出が沢山詰まっ建物です。

 しかし、私の子供のころには既に家が傾いており、柱と障子の隙間に新聞紙を折った詰め物をして隙間風を凌いでいました。その後建具を調整して誤魔化して来ましたが、息子は『こんなガタビシャな寒い家はもう嫌だ』と言って建て替えを主張しています。

 しかし私としては、床の間のつくりや、書院の障子の組子模様が好きで子供の頃から自慢に思っていました。長押にも釘隠しがついており、とても雰囲気のある座敷のある家なので、何とか残したいとも思うのですが、どうしたものでしょうか? (某市のA氏58才)

 

【質問について】

 この質問は数多い相談のなかで、最も多い相談です。日本の古民家は非常に良材を使った良い作りの家が多いのですが土台と基礎に弱点があるように思います。

 一般的な民家は基礎の部分を『どう突』で突き固めて石を置きその上に土台(栗材等)を敷きその上に立ち上げるのですが、高温多湿の夏、また豪雪の冬がある我が国では湿潤で不安定な土地に建てられている場合も多く、不等沈下と土台の劣化を招きやすいのです。

 折角良材を用いた建物なのに不等沈下による家の歪みを前にして、多くの民家所有者は諦めてしまう事例が多いのです。

 しかしその他の柱、梁材は昨今の『何とかハウス』に比べて遥かに逞しく、また時代を経た美しい風合いある良材であります。

 国産材は『伐採後100年は徐々に強度を高め、その後は横這いから時間をかけて、徐々に強度が衰えて行く』と言われております。今の様に築25年で建て替え更新される消耗品住宅では木材の強度が未だ最高に達する前に壊されてしまうのです。(もっとも外材主力のハウスメーカーの商品住宅は25年が限度かも知れませんが)

 A氏宅の場合も不等沈下による家の歪みが原因と思われますが、雨漏りの事は触れられていないので、明治の建物なら、恐らくその他についてはかなりコンデションが良いのではないかと思われます。

 だとすれば、勿論現場を見なければ確たることは申し上げれませんが、建て替えより再生をお勧めしたいと思います。

 方法としては一旦壁を落として、建物を吊り、基礎を入れなおし、土台を変えれば、建物の問題は改善される筈であります。

 そしてその機会に寒い部屋には床暖房を入れ、見える部分の梁、柱の汚れを洗い落とし、古色を出す塗装を実施する。玄関、土間、板の間や座敷など建物表側のパブリックなスペースは和を基調として、グレードアップした造作を心掛け、表側から見えない寝室、居間、水回りなどは思い切って今様に機能性本位とし、快適性が実現できるように取り組むならば、A氏の想像を超える素敵な我が家に生まれ変わるのではないかと思います。

 どうぞ、貴方のお困りの事情を率直にご相談頂き、最高の解決策が見いだせれば幸いです。

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