古民家再生にあたって基本的な事を申し上げたいと思います。

 古民家はその地方の風土が育んだ貴重な文化遺産であり、そこに暮らす人々の価値観や精神性に深く関わり、国民性、県民性、アイデンティティーの土壌を構成するものの一つであります。 古民家のある風景に安らぎを感ずるのはこのためです。

 長い歴史を経て、その姿は環境に馴染んだ様式美を完成させております。個々の古民家は先人の皆様が、それぞれ厳しい条件の中で、知恵と感性と資力を尽くして完成させた魂の宿るものであります。

 古民家再生を行う者は、先ず何よりも、こうした古民家に敬意をもって向かい合わなければならないと思います。

 次にエコについてですが、木造住宅に必要な再生を重ねて住み続ける事は、実は物凄い環境対策なのです。一例を申し上げますと、46坪の住宅に構造材、化粧材として使われている木材は17立方程度です。これを解体して廃棄するとその炭素量は3,910kgになります。木材の炭素を二酸化炭素に換算しますと、炭素量×44÷12=二酸化炭素量(CO2)となりますので、平均的な民家一戸が蓄積する二酸化炭素量は14,337kgとなります。これは実にブナの木1,303本が一年間に吸収する二酸化炭素量となります。家一棟を廃棄焼却する事で発生するCO2を吸収するためには、ブナの木1,303本を植林しなければならず、さらに新築するために用材を伐採するとすれば、さらに1,303本のブナの木を植林しなければ、地球環境の維持が出来なくなるのです。

 この様に古民家を再生維持して行くことは、建築文化の継承と日本的な景観を維持し、地球環境を守って行く事なのです。この事を全ての基本として先ず肝に銘じてほしいものです。

 それぞれの地域に成長した個性的な建築様式は長い歴史を経た必然性がもたらせたものであります。勿論その発展過程では様々な改良が重ねられてきたものであり、新たな着想を全否定するつもりはありませんが、奇を衒った思いつきや、突飛な着想は、それなりの必然性や、和の精神に叶っているもの以外は、何とも珍なモノとなり、建物の価値を台無しにしてしまいます。

 古民家は暗い、寒い、汚いなどと言われ、敬遠されているとも聞きますが、それは寒風に佇む廃屋のイメージが定着したものであり、本来は質実にして清楚であり、品格ある日本人の国民性を育んだ舞台なのであります。民家の持つ陰影は美しさの隠れた主役であり、寒さへの対応は、床暖房やエアコンを隠す手法などいくらでもあります。清潔に磨き上げられた光沢こそ美しい日本の家の命であります。民家は汚いのではなく個々人の暮らし方の問題なのです。

 そのほか、建物の形やコンデションによって、対応策、施工過程はそれぞれになりますが、以上申し上げた基本事項をしっかりと承知されたうえでお取り組みをお願い申し上げます。

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